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ご挨拶

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平井豊博先生

第48回日本呼吸療法医学会学術集会
会長 平井 豊博

京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 教授

 このたび 2026年7月4日(土)・5日(日) の2日間、国立京都国際会館にて「第48回日本呼吸療法医学会学術集会」を開催する運びとなりました。伝統ある本会の会長を拝命し、その重責を深く感じながら、実り多い学術集会となりますよう鋭意準備を進めております。
 本学術集会のメインテーマは、「呼吸療法の未来に向けたきずなの構築」といたしました。
 肺は、生命維持に不可欠なガス交換を担う重要な臓器であり、多様な細胞から構成される複雑な構造を持つとともに、常に外気と接することで体外環境の影響を受け、全身をめぐる血液が必ず通過することで体内環境の影響も受けています。さらに、随意・不随意の脳神経系により制御され、換気による動的な形態変化を示すなど、他の臓器にはない独自の特性を備えています。このような特性ゆえに呼吸器疾患は多様で複雑な病態を呈し、呼吸管理の奥深さにもつながっています。
 こうした領域に挑むためには、医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、栄養士など、多職種の英知を結集し、協働して取り組むことが不可欠です。本学会は、その専門職間連携の核としての役割を担うべき存在と言えます。呼吸療法の現場においては、医学の進歩に伴い専門性が高まるほど、職種を超えた日々のコミュニケーションや相互理解、連携の重要性が増しています。これらは、急性期から慢性期へと切れ目のない医療提供はもちろん、現状だけでなく予後までを包括的に見据えた安全で質の高い治療や管理を実現するための基盤となるものです。このような多職種の協働を“きずな”としてさらに深め、より強固な結びつきとして育てていくことこそ、本領域の未来を切り拓く鍵になると確信しています。
 学術集会での活発な議論が、呼吸療法に関する診療・研究の発展と普及を促し、学問領域のさらなる向上に寄与するとともに、患者さんとご家族、そして社会全体の福祉向上へとつながることを期待しています。
 ぜひ多くの皆様に本会へご参集いただき、討論と交流を通じて新たな未来への“きずな”が育まれることを心より願っています。京都でお会いしましょう!